施主であるセゾンリアリティの第一号新築オフィスビルであり、新橋、汐留、銀座という高密度なオフィス群の中、大通りに面した小規模高層オフィスである。「新たな付加価値を提供するオフィス」をテーマに、デザインとしては、木材・石・コンクリート・植栽等の素材本来の持つ「自然」の縦軸要素と、人、時間、交通といった、新橋ならではのスピード感を彷彿させる「まち」の横軸要素が織り成す『フレキシブルオフィス』を目指した。
特に象徴的なガラス鋭角部には集成材の木柱を、折上の木天井とともに貫かせ、都市の木質化に新しい可能性を見出している。また、延床面積を1500㎡以内とすることで面積区画を不要とし、スパンドレルのない高さ3.3mの開放的なビジョンを実現することで、大通りに面した大開口に横ラインを強調させ、都市のスピード感を演出した。1階には都市計画道路予定地を緑地化することで、都心の中で自然を感じることのできるオフィスをより実現した。また、素材の構成要素をシンプルにすることで、更新性にも配慮したフレキシブルオフィスである。