本計画は，大阪市内の本社機能を有する事務所ビル新築計画である。
計画敷地は，水都大阪を象徴する大川沿いの緑豊かな公園に面する恵まれた環境であるが，住宅地に立地しているため，近接した近隣住戸への配慮と限られた敷地内での計画・施工が求められる条件にあった。
発注者は，新社屋建設に際し環境配慮・省エネルギー性能に主眼を置いており，計画初期段階から『ZEB』(NetZEB)の達成を念頭にプロジェクトを進めてきた。
設計にあたっては，高効率な空調設備・照明設備をはじめとした省エネルギー技術の採用および外皮性能向上による年間一次エネルギー消費量の削減，屋上に設置した太陽光パネルによる創エネルギーにより『ZEB』を達成している。
建築計画では，建物が西側道路に面する中で事務所空間に最大限の開放性を確保するため，開口部に日射追従型の外付電動ブラインドを採用し，打放しコンクリートとアルミカットパネルを合わせたシンプルなフレームにより訴求力ある外観を構成した。