キャンパスの一体感を高める新校舎
京都東山キャンパスは旧小学校跡地を利用して建設された建築学科・美術工芸学科を擁する大学である。敷地内の旧体育館を解体し、新たに多目的ホール・教室棟を増築するもので、既存校舎と相まってキャンパスの中心である中庭を囲む。キャンパスの一体感を醸成する装置でもある中庭に面して大階段を配し、階段の形態を投影したようなカーテンウォールから学生が 日常的に上下するアクティビティを中庭に表出させた。町家に面する東側は壁面の後退、庇の重層化、縦格子で周辺環境との融合を図っている。
階高に制限がある中で梁型やダクト類を露出させ、開放感を獲得するとともに学生の学びに寄与する校舎を目指した。北山杉を用いて、エントランスロビーの天井は古社寺の創建年数を材の長さで表現、大階段の壁面は東山三十六峰の山並をデザイン要素とするなど、ロケーションや地域性から着想を得て内装デザインに展開している。
ここにあふれる学びの風景が、若い知的好奇心を刺激する場所となることを願ってやまない。
OUTLINE概要
- 所在地
- 京都府京都市
- 設計・監理
- 戸田建設 大阪支店 一級建築士事務所
- 施工
- 戸田建設 大阪支店
- 竣工年月
- 2021年4月
- 構造
- S造・SRC造
- 規模
- 地下1階/地上4階
- 延床面積
- 4,563.94m²