02徹底した省エネ設計の追及
新TODAビルではZEB Readyを達成するため、建物形状・設備・機器等を隅々まで見逃すことなく、徹底した省エネ化を図りました。設備システムにおいては機器容量や制御、仕様条件等によって、膨大な組合せが生じます。その組合せのすべてにおいて一つ一つ省エネルギー計算を行い、最適解を模索しました。
また、経験上、省エネに効果があると思っていたものが、計算結果では思ったほど効果が出ないこともあり、そういった項目についても課題を解消すべく見直しを図っていきました。
その中には、1000回にも及ぶ計算・検証を行ったシステムもありました。
通常の設備設計業務を行いながら上記のような膨大な検証をするための時間確保は非常に苦労しましたが、実証実験等のエビデンスやノウハウ、最新鋭の技術を駆使し、検討の効率化を図りそれらを解消しました。
実証実験に基づく最適な外装計画・空調容量の低減化
新TODAビルへ導入するシステムや ZEB化対応技術等の検証を行うため、環境実証棟を建設し実験を行いました。 実証実験では、南面の外装仕様をダブルスキン、コンパクトダブルスキン、バルコニー + ルーバーの3種類を実装し、室内に対する熱負荷の軽減等への効果を比較検証を行いました。
その結果コンパクトダブルスキンが日射遮蔽、熱貫流において効果が一番高いことが検証されました。
ここで得られた知見を、さらに空調機の容量を決定するための熱負荷計算に反映させることで、過剰な容量を抑制し、最適な空調容量を実現しました。
BIMを活用した配管・ダクトルートの最適化
超高層建築物の省エネ効果に大きく影響する項目として、配管・ダクトの搬送経路が挙げられます。
新TODAビルの計画では設計当初からBIMによって諸室の配置検討やガラリの設置位置、デザインへの影響等の詳細検証を行うことで、搬送経路の最適化を図りました。
その結果、ファン・ポンプの搬送動力を大きく削減した無駄のない搬送経路を実現し、省エネに大きく貢献しました。
気流シミュレーションを活用した空調・換気の最適化
ロビーなどの大空間は天井高が高いため、空調効率が悪く、省エネとの両立が非常に難しいエリアでした。その為、気流シミュレーションを効果的に活用し、空間の快適性と空調能力とのバランスについて事細かに検証を行いました。その結果、快適性を損なうことなく省エネ性に配慮した空調システムの実現を可能にしました。
共通ロビーパース(左図上図)と気流解析(右図下図)