SPIRIT TO THE FUTURE
2024年、「TODA BUILDING」は「(仮称)新TODA ビル(以下、新社屋)」に生まれ変わります。
近年の働き方改革によるワークスペースの多様化に応えるべく、新社屋は商業施設にオフィスが積層された従来型の大型開発オフィスビルから脱却し、芸術文化施設とオフィスが繋がる
「新しいものづくりの価値を生むワークプレイス」を目指します。
さらに街区再編や防災対応力の強化、環境負荷低減等の計画を通して地域の人々に豊かで付加価値の高い建築を提供したいと考えています。
新社屋では、若手芸術家の作品制作を支援する創作・交流施設、これら作品を国内外に向けて発信する情報発信施設を整備し、次世代を担う若手芸術家の育成基盤を提供します。さらに、次世代芸術家とオフィスワーカーとの交流イベントや、一般向けのワークショップなどの創作活動を支援する創作・交流スペースを提供することで、より多くの人々の次なる活動を促進します。情報発信施設では、デザイン品の展示・販売や芸術家・デザイナーを招いたレクチャーの開催等を予定しており、多世代に向けた芸術文化の変革を促進する環境を創出します。
140年の歴史を持つ、当社の「ものづくり」の精神を通じて、「価値創造の空間」を生み出す。
「ものづくり」というアイデンティティーは失う事なく、常に時代に合わせた「継続進化」により、脱皮を繰り返していく。
今後は、低層部や外部との創作活動と連携し、働くこと自体が価値の創造となる「継続進化し、常に変わる事が可能となる空間/建築」を目指す。
現代アートだけでなく音楽・建築・漫画・キャラクター等の様々なコンテンツを有するミュージアムギャラリー
芸術文化の領域を広く捉えた、様々な催しを対象とするイベントホール、ビジネスユースも受け入れる事による交流の場
若手アーティスト・クリエーター・デザイナー等の育成の為の創作交流の場
低層部の各用途を回遊する事が出来る、路地的空間でつなぐ事で、京橋の界隈性や、歴史を踏襲
地域防災活動の拠点となるだけでなく、中央通りに面した広大な広場では、アートイベントや地域の祭り・駅伝・マラソン応援等の様々なイベントを開催し、まちと密接につながる
カフェ、デザイン品(日本のものづくりに関連したデザイン雑貨/伝統工芸品等)の販売スペースを併設
現代アートやものづくり展示・若手アーティストの発表の場をつくり、周辺のアートギャラリーとのコラボレーションで、様々な人(社会・企業・個人)との出会いの場となり、低層部を一気通貫で貫く吹抜け空間が低層部全体のつながりを誘発する
現在、計画地内においては、交差点部の歩行者たまり空間やオープンスペースの不足、歩道がなく幅員の狭い区道や路上駐輪により、安全・快適な歩行環境が確保されていない状況です。また、緊急車両の進入が困難な幅員3m以下の細街路や、計画地内の殆どの建物が築30年以上経過し老朽化が進み土地が細部化されているなど、地区全体として防災上の課題を抱えています。さらに、計画地が面する八重洲通りの地下にある東京都八重洲駐車場の出入口は、一部階段に階段昇降機が設置されているものの、バリアフリー化が進んでいない状況となっていました。
街区再編により、纏まった3つの街区の形成や老朽化した建築物の機能更新、歩車分離を行い地区全体の防災性、交通の安全性の向上を図ります。また、中央通りに面してまちのにぎわいを受止める大きな広場空間や、古美術商やギャラリーが集積する骨董通りへつながる広場・歩行者空間を一体的に整備することで、にぎわいのある歩行者の回遊拠点を形成します。さらに、エレベーター設置による八重洲駐車場のバリアフリー化や、公共的駐輪場・サイクルステーションの設置による路上駐輪の改善や観光利用対応を図り、心地よい交通環境を整備します。これらの取組により銀座・日本橋方面とのにぎわいを連続する回遊性の高い安全で安心なまちを形成します。
・計画地周辺を回遊する歩道空間の整備
・古美術商・ギャラリーの集積する骨董通りと広場をつなぐ歩行者ネットワーク空間の整備
・中央通りに面してまちのにぎわいを受け止め、まちの回遊拠点となる大規模な広場空間「アートスクエア」を整備する。
・広場では年間を通じて芸術・文化イベントを開催することにより、にぎわいのある空間形成を行う。
・京橋の歴史や文化を継承(安藤広重住居跡・喜谷實母散本店跡・山王祭神輿蔵等)
・両街区一帯の街並み作りへの配慮(壁面緑化等)
・細街路等を等積で付替え、幅員約8m、約6.5mの道路を整備し、地区の道路機能の向上及び適切な歩車の分離を図る
・区画整理事業や埋設インフラ工事と併せた道路表層整備
高い事業継続性(BCP)、地域継続性(DCP)を有する計画として、免震構造を採用し、建物単体だけでなく広場を含む範囲を免震構造とすることで積極的に地域防災力の向上に取り組み、災害発生時に予想される多くの屋外滞留者および帰宅困難者に対し、安心・安全な一時滞留施設や一時滞留スペースを提供します。また、非常用発電機やコージェネレーションシステム(以下、CGS)の整備により自立・分散型のエネルギーシステムを導入することで、災害時においても安定的なエネルギー供給を実現し、地域の皆様に安心・安全をご提供します。
非常用発電機のみの場合は最⼤3⽇(72h)の連続運転ですが、有事の際に信頼性の高い中圧ガスによるコージェネレーションシステム(CGS)を併せて設置することで、都市ガス(中圧ガス)が健全な場合は、10⽇程度は連続運転が可能となります。大地震時に一時滞留施設・スペースにエネルギーを供給し、帰宅困難者の在館対応を可能とします。
本計画においては、高効率の設備機器やシステムの導入、高性能 Low-e 複層ガラスの設置、外壁ルーバー等の採用による日射遮蔽等の他に、自然光、外気などの自然エネルギーの積極的利用を推進します。また、ビルディング・エネルギー・マネジメント・システム(BEMS)を積極的に活用し、各テナント等への省エネルギー運用のサポート等を行います。さらに、ヒートアイランド対策として、計画地内の環境に応じた緑化空間を創出することにより、歩行者に潤いや安らぎを与える憩いの場を提供します。