オールムラタに先駆けとなる先進的な厚生棟を実現
村田製作所八日市事業所の将来的な人員増加に備えた食堂や会議室の確保など、福利厚生施設の充実を図るものである。建物の設計は環境への配慮と感染症予防といった要求の実現を計った。環境への配慮では、外観の特徴となるソーラーチムニーによる自然排気を取り入れたカーテンウォール、各種省エネ機器の採用、ソーラーパネルによる創エネによりNearly ZEB 基準を達成するものである。外観は、工場の生産品の基点である「結晶」をモチーフとし、白の凹凸のある形状をメインファサードとし、国道八風街道に面した北面ファサードは村田製作所のアイコンでもある菱型を模した奥行き感のある縦ルーバーを計画し、内外の視線の制御と事業所としての顔を意識した。エントランスでは、八日市地域の文化である「大凧」と外壁のモチーフの「結晶」、素材として新技術である「三軸織物」を融合したサインを計画した。他にも事業所の歴史を自由に体験できる展示ギャラリー「ふしぎな石ころミュージアム」を計画し、地域に寄り添ったエントランス空間とした。2階、3階の従業員の食堂、休憩エリアは周囲の景色の自然を取り入れたデザインとした。
OUTLINE概要
- 所在地
- 滋賀県東近江市
- 設計・監理
- 戸田建設株式会社一級建築士事務所
- 施工
- 戸田建設株式会社 大阪支店
- 竣工年月
- 2023年5月
- 構造
- S造
- 規模
- 地上4階
- 延床面積
- 7,193.04㎡