未来を担う研究者を育む化学知の拠点
本事業は、大阪府立大学と大阪市立大学の統合による新大学「大阪公立大学」設立に伴う両大学の整備事業の一環であり、理学研究科化学専攻が使用する実験研究施設を新設する計画です。「思索、実験、検証、発表」を実践できる施設として、実験室や学生居室、講演会室などをコンパクトかつシームレスに集約しました。実験室では、外周部での逆梁の採用、PC床版を用いた床組による小梁の取り止めにより、簡潔かつ自由度の高い配管ルートを確保し、将来への高い更新性を実現する構造フレームを採用しました。外観計画では、既存理学部との調和を意識し、テクニカルバルコニーを設け、外部の配管ルートの確保及び目隠し壁による配管の隠蔽を行い、フレキシビリティを確保しつつ、周囲の景観に配慮した計画としました。サイエンスホールと名付けた講演会室は、エントランスホールや外部と視覚的に繋がり、研究発表の風景が垣間見える象徴的な空間と位置づけました。未来を担う研究者を育む拠点として、時代により変化する研究環境に対応できるフレキシビリティを追求した学舎を実現しました。そして、この学舎が未来を担う研究者の青春期の背景にあることを願っています。
OUTLINE概要
- 所在地
- 大阪府大阪市住吉区
- 設計・監理
- 戸田建設 一級建築士事務所
- 施工
- 戸田建設 大阪支店
- 竣工年月
- 2023年12月
- 構造
- SRC造
- 規模
- 地上6階
- 延床面積
- 9,145.68㎡
- 基本設計
- 東畑建築事務所