地域素材を表出し自然と調和するコンクリート・オフィス
大手セメントメーカーである太平洋セメントの首都圏工場「埼玉工場」に計画された事務所棟である。工場は操業69年(2024年時点)の歴史を誇り、首都圏の産業廃棄物だけでなく、立地する日高市内の家庭ごみを受け入れセメント資源化するなど、長きに渡り地域に密着した取り組みを行っている。このような建築主の理念に従い、コンクリートの特徴を活かしながらも自然豊かな周辺環境と調和し、地域性を内在した親しみある建築を目指した。ファサードは通常のコンクリート化粧打放しに加え、既存の樹木と呼応する杉板本実型枠、2階部分は石灰石骨材を表出するチェーン引きで仕上げを構成。チェーン引き仕上げは、コンクリート表面を削り出す事で「ゆらぎ模様」を形成し、地域の素材である「武甲山の石灰石」を表出する唯一無二の仕上げである。内部はコンクリート構造体を表出することで、力強い空間を演出する要素として活用した。地域住民も来訪するこの建築が、地域の産業を支えるシンボルとして愛され、まちと企業をつなぐ新たな架け橋となることを願っている。
OUTLINE概要
- 所在地
- 埼玉県日高市
- 設計・監理
- 戸田建設株式会社関東設計室一級建築士事務所
- 施工
- 戸田建設株式会社関東支店
- 構造
- 鉄筋コンクリート造
- 規模
- 地上2階
- 延床面積
- 1,589.28m²