まちと協奏するみどりの中の音楽大学
東京音楽大学は「110年の伝統を次の世代に引き継ぐ新たな教育の場」として、中目黒・代官山の地に新キャンパスの計画を立ち上げた。そして”広く社会に貢献する人材を育成し、未来を担う子供たちに音楽の魅力を伝え、日本の新たな音楽文化創造のための挑戦をする”という強い意志によりこのキャンパスが実現した。キャンパスの中心を貫き自由に通行できる「音楽のみち」は、中目黒と代官山をつなぎ、「学生」と「まち・社会」との接点となり、様々な交流や多様な体験の場として計画されている。またその中心にある”音楽の森”と呼ぶ緑豊かな中庭を囲むように、レッスン室・練習室・教室・カフェテリア・音楽ホール等を配置し、「学びの場」と「外部空間」を緩やかにつなげ、森の中を回遊するような心地よさと共に、感性を触発し、音楽に向き合い、音楽を学ぶ最高の環境づくりを行った。当キャンパスは多くのレッスン室や練習室及び大中小様々な教室、レコーディングスタジオ、音楽ホールで構成されているが、一つ一つ音響空間としての完成度を最大に高め、様々なものを重ね、つなぎ、そして共鳴させることで音をデザインに昇華させている。