「音」を創造する研究施設
筑波技術研究所内にある築35年の既存施設を一部解体し、最新の音響技術を採り入れた実験棟を増築する計画である。
本PJでは実験機能に留まらず、来訪者に対する技術の「魅せる化」を図ることで、顧客への新たな価値提案を行える場となることを目指した。
中庭の桜の大樹や既存建物、埋設インフラといった制約により「最小限」の面積条件に対して、音に関する「最大限」の機能を内包することが求められた。
建物の主用途である音響実験室はRC造とし、コンクリート化粧打放しの壁が実験エリアと来客エリアを明快に分ける計画としている。来客エリアである低層のアプローチ空間はS造とし、直径140mmの鋼管柱とL字に切れ込んだカーテンウォールを採用することで開放感を演出すると共に、水平ラインを強調するアルミパネル庇によって周囲の建物群とのデザインの調和を図っている。
メインとなるシミュレーター室には、36個のスピーカーと6つのウーハーを360°配置することで立体音場を形成し、3面スクリーンに映し出される映像と共に多様な音場環境が再現可能である。
OUTLINE概要
- 所在地
- 茨城県つくば市
- 設計・監理
- 戸田建設株式会社 関東支店 一級建築士事務所
- 施工
- 戸田建設株式会社 関東支店
- 竣工年月
- 2019年10月
- 構造
- 鉄筋コンクリート造
一部鉄骨造
- 規模
- 地上2階
- 延床面積
- 642.02㎡