ゼネコンの総合力を活かした競争力のあるスマートオフィスビルを実現
戸田建設が企画から、設計、施工、ビル管理まで一気通貫を担い全国展開を目指す賃貸オフィスビル「T-FIT(ティフィット)」の第1弾となる高付加価値スマートビルである。テナントニーズのみならず、オフィスワーカーを含めたすべてのフェーズに関わる人に寄り添う(FIT)ことを目指し、賃貸オフィス事業において中核となる設計・施工を請け負うゼネコンが、企画からビル管理まで関わることで、すべてのプロセスを一貫したフルパッケージデザインを行った。
計画敷地である八丁堀は東京駅からほど近く多くの賃貸オフィスビルが軒を連ねている。マッシブなボリュームを積層させ、水平を基調としたシンプルで普遍的なデザインとすることで、数あるオフィスビルの中で存在感を示した。平成通りに開放されたバルコニーは積層感をより際立たせた。骨材までこだわったアーキテクチュラルコンクリートのPCa版を用いた彫の深い表現、風除室に象徴的に設けた戸田建設のCIロゴをモチーフとしたグラフィックコンクリートは、クラフトマンシップに通じる。
屋内階段はELVホールと一体の空間とし、共用部の最小化を図るとともに、階段の積極利用を促し、中間期の温度差自然換気としてのボイドの役割をはたしている。
快適なオフィス環境を実現するデジタル技術として、暑い、寒いの自己申告に応じて室内温度の最適化を図る「温冷感空調システム」や人のサーカディアンリズムに合わせて照度や色温度が変化する「スマートオフィスライティング」などを開発し、採用した。また空調、照明、セキュリティなどの各種制御を一元的にネットワーク接続し、天井に設けた環境センサーから集めたデータと併せてクラウド上に情報を集積している。
本社建て替えのため自らがワーカーとして入居し、継続した実証やデータ収集・分析を行い、より上質なオフィス環境を追求し続け、ユーザーエクスペリエンスを向上させることで、新たな発想や気づきを生み出す次世代の働き方を実証していく。
OUTLINE概要
- 所在地
- 東京都中央区
- 設計・監理
- 戸田建設株式会社一級建築士事務所
- 施工
- 戸田建設株式会社 東京支店
- 竣工年月
- 2019年12月
- 構造
- 鉄骨造
- 規模
- 地下1階 地上9階
- 延床面積
- 6,135.42㎡