"開かれた"研究開発施設を目指して
愛知県からグローバルにシェアを展開するセラミック素材メーカーMARUWAの本社近くに計画されたR&D(研究開発)センターでMARUWAの大きな変革の第一歩として掲げる「素材メーカーからイノベーションパートナーヘ」という想いの具現化を目指した建築である。
土を扱う窯業から創業し、その技術を基にセラミック精密素材をつくるメーカーヘ進化したこと、また建物内部で行われる研究開発が新しい価値を「掘り起こす」という行為から「Inovation Mine」というグランドコンセプトのもと、鉱山のような外形に地層を表現する水平ルーバーを纏った外観デザインとしている。
秘匿性が求められる施設特性から閉鎖的な建築になりがちなところ、この建物は前面道路と執務空間の間に中間域であるルーバーによって緩やかに視線が制御されたホール空間を配置することによリ周辺環境に対して適度に開かれた建築となっている。このホール空間が地域住民とのコミュニティも取リ込みながらそこで繰り広げられるワークショップや製品展示など様々なイベントを通じて企業のイノベーションが助長され、MARUWAのさらなる成長に繋がることを期待している。
OUTLINE概要
- 所在地
- 愛知県尾張旭市
- 設計・監理
- 戸田建設 名古屋支店 一級建築士事務所
- 施工
- 戸田建設 名古屋支店
- 竣工年月
- 2020年12月
- 構造
- S造
- 規模
- 地上2階/棟屋根1階
- 延床面積
- 1,355.76m²
- 備考
- デザイン監修:ゲンスラー・アンド・アソシエイツ・インターナショナル・リミテッド