建築ができるまで

STORY


EPISODE 03
社内コンペティション2019
Tプロジェクト

このコンペは、発想豊かな若手設計者を中心に開催した、戸田建設設計部内における部内コンペです。

このコンペの主旨は、全国的にも市場性が広まりつつある多目的アリーナを見据え、さらに魅力ある建屋を提案するものです。最近の各種スポーツのリーグ立ち上げ状況(バスケット、卓球、バレーボール)を鑑みますと、その需要が拡大していくと予測されます。さらにスポーツ以外にコンサート、集会、展示会など多目的に利用することを想定した建屋としています。全体的にはローコスト、施工性を意識しつつ、以下の項目について検討し提案するものとしています。

  1. 構造架構形式をメインの提案とする
  2. 架構形式と整合性があり、建物の存在をアピールできる外観・内観の提案とする
  3. 上記1、2から派生し、付加価値的に来訪者や観客に工夫をアピールできる提案とする

■最優秀案 - OVAL SHIP -(商標登録出願中)

  • プロジェクトメンバーの画像01 岩岸宏次計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像02 宮澤匡祐計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像03 加茂川智哉計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像04 山本恭代計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像05 大井雅史計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像06 石塚圭介構造設計
  • プロジェクトメンバーの画像07 宮﨑孔貴構造設計
  • プロジェクトメンバーの画像08 丸山周平構造設計
OVAL SHIPの画像01
OVAL SHIPの画像02

高い合理性・汎用性・シンボル性を持った
楕円形形状アリーナ

アリーナを設計するにあたり、開催されるイベントと相まって夢のある時間を提供することを目指しました。楕円形状の求心性を持ったシンプルな構成は、意匠と構造の最適化を図る上で、3つの構造的な特徴により成立しています。この3つの特徴により、観客の高揚感、スポーツの躍動感、高いフレキシビリティ、周囲とのつながりを生み出し、合理性・汎用性・シンボル性を併せ持つアリーナとなります。

魅せる構造

テーマは「魅せる構造」。外観的には建物を低く、内部空間としては天井を高く豊かなものにするべく高いデザイン性で構造的に相反する要請をいかに実現するか腐心しました。採用した「自己釣合機構の張弦梁屋根と外郭トラス架構を組み合わせた主架構」は、シンプルかつ高い合理性を合わせ持っています。当初より目指しているデザインと架構が融合した、イメージ通りの提案ができたと核心しています。

OVAL SHIPの画像03

■優秀案 - MOUNTAINs ARENA -(商標登録出願中)

  • プロジェクトメンバーの画像01 中川康弘計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像02 一條真人計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像03 浦波寛弥計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像04 川口祥茄計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像05 小田健人計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像06 酒井彩花計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像07 福島大地計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像08 村上裕貴計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像09 前田朋宏構造設計
  • プロジェクトメンバーの画像10 得能将記構造設計
  • プロジェクトメンバーの画像11 渡邉栞構造設計
  • プロジェクトメンバーの画像12 渡邊貴博構造設計
MOUNTAINs ARENAの画像01
MOUNTAINs ARENAの画像02

スポーツアリーナを地域のシンボルに

地元の山のように地域に愛され、シンボルとなるアリーナを目指しました。山をモチーフとした「稜線フレーム」や「谷線フレーム」と称する架構をそのまま表出した外観は、高いシンボル性を演出します。ユニットの組み合わせにより、多様な敷地形状や用途にも展開が可能となり、地域に寄り添った、唯一無二のアリーナとなります。また、折板形状を利用した音響計画を行い、効果的にアリーナ全体へ観客の歓声を拡散させ迫力や臨場感が増す計画としました。

合理的な立体構造

稜線フレーム/谷線フレームという異なる形状の骨組みを隣り合わせて繰り返すことで、互いに変形を拘束して安定した大空間架構を造り出しています。この「合理的な立体架構」=屋根・壁面を凸凹にして架構とデザインを一体化した「シンボリックな外観」=「山脈」というキーワードで捉え、シリーズ化されるために必要なブランディングに寄与する面白さ、個性を有しています。

MOUNTAINs ARENAの画像03

■入選案 - 竜飛鳳舞 -

  • プロジェクトメンバーの画像01 宇根本真計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像02 丸山耕平計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像03 渋江優人計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像04 大江優司計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像05 木戸口美幸計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像06 廣瀬正治構造設計
  • プロジェクトメンバーの画像07 知野裕和構造設計
  • プロジェクトメンバーの画像08 倉持真也構造設計
  • プロジェクトメンバーの画像09 白瓊構造設計
竜飛鳳舞の画像01
竜飛鳳舞の画像02

リズミカルでダイナミックな
大屋根アリーナの提案

訪れる人の胸が高鳴るようなアリーナを目指しました。外部に構造体を見せることで、内と外で異なった空間の質を表現することができます。大屋根とそれを吊り上げる柱とケーブルにより生まれたダイナミックな軒下空間は賑わいを演出し、人々を引き寄せます。屋内には最小化された屋根部材が軽やかな表情をつくり、折れた大屋根として覆うことで躍動感が溢れます。力強さと優雅さを併せ持ったアリーナを計画しました。

ダイナミックな空間の創出

外部にポストから屋根を吊り下げ、室内空間にはそのケーブルと連続した張弦梁が連続する架構計画としました。外観、内観共に構造架構が表出し、デザイン化された提案になっています。短辺方向でなく90mの長辺方向に骨となる架構を渡し掛け、吊りポストは片側のみにアシンメトリーに計画するなど、構造的に「個性」をつけることで、より動きのあるダイナミックな空間を提案できたと実感しています。

竜飛鳳舞の画像03

■入選案 - Ring Structure Arena -

  • プロジェクトメンバーの画像01 伊礼朋次計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像02 木下皓之計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像03 川又哲也構造設計
  • プロジェクトメンバーの画像04 堀場亮佑構造設計
  • プロジェクトメンバーの画像05 細谷典弘構造設計
Ring Structure Arenaの画像01
Ring Structure Arenaの画像02

テンションリングとコンプレッションリングによる立体的な構造架構

斜め柱と屋根を支える放射状の梁が対比的な、美しい架構デザインを提案します。機能上必要な高さを効率的に確保する断面形状を、3段のリングと斜め柱で構成された開放的な架構によって実現しています。リング構造により生み出される楕円形の回遊動線と軒下空間は地域のイベントをサポートするなど、まちづくりの起爆剤となるアリーナとなります。

テンションリングとコンプレッションリング

多目的アリーナとしての機能を満足するミニマムデザインをコンセプトとしています。多目的アリーナとしての機能と構造計画を融合させ、アリーナ内の臨場感や躍動感を演出する斜め柱により、スパンを最小限に計画して、小さな部材の集積による構造としました。放射状に配置した部材との対比により、繊細な屋根表現を行っています。

Ring Structure Arenaの画像03

■入選案 - フォルムV -

  • プロジェクトメンバーの画像01 百瀬雄介計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像02 平井宏幸構造設計
  • プロジェクトメンバーの画像03 柿沼貴博構造設計
  • プロジェクトメンバーの画像04 吉江一馬構造設計
Ring Structure Arenaの画像01
Ring Structure Arenaの画像02

地域に愛されるシンボルに

その土地ならではのモノやコトをモチーフに、地域に愛されるシンボルとなるアリーナを考えました。景観と調和するゆるやかで美しい曲線を纏った張弦梁構造の大屋根としました。平易な構造原理を空間に持ち込み、構造体がインテリアとなるような裸の構造要素全てを視覚的に空間デザイン構成へ参加させ、存在感を演出しました。

美しい構造体がアリーナ内部空間を演出

屋根を支持するトラス状の柱はあえて外側に倒すことで、屋内のアリーナ空間を大きく豊かにすることを狙っています。その巨大な楕円型のアリーナ屋根には「軽快さ」を感じさせる放射線状の張弦梁構造を採用しました。張弦ケーブルの集中する中央リングではすっきりとしたディテールで構成し、トップライトの光が美しく差し込む意匠的な演出となるよう腐心しました。

Ring Structure Arenaの画像03

■コンペ案 - Cloud -

  • プロジェクトメンバーの画像01 小川克彦計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像02 太田潮計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像03 大嶽伸計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像04 王雋斉計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像05 本多仁構造設計
  • プロジェクトメンバーの画像06 小町祐介構造設計
  • プロジェクトメンバーの画像07 太田紘惠構造設計
Cloudの画像01
Cloudの画像02

人をつなぐ場となるアリーナ

アリーナと接続する大きな広場と、ETFEフィルム膜材による軽やかな外観によって、どこへでも漂っていける可変性を持ち、何処にあっても人をつなぐ地域性のある‘‘Cloud‘‘のような建築を考えました。その中で、「共有できる」「転換できる」「つくりあげる」という3つのキーワードをもとに地域のシンボルとなり、情報が集約し、賑わいが創出するような場を計画しました。

屋根吊り免震の考案

大空間設計の動向の一つとして、「屋根の免震化」が挙げられますが、本提案では、その「屋根免震」というキーワードのもと、振子の特性を利用した「屋根吊り免震」を考案、採用しています。このシステムは今後より重要視される「免震の長周期化」が容易であり、様々な重量の屋根材に対応可能なものとなっています。

Cloudの画像03

■コンペ案 - 飛翔するアリーナ -

  • プロジェクトメンバーの画像01 柳沢宗彦計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像02 吉井崇晃計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像03 國又要計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像04 渡辺拓計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像05 今吉浩一郎計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像06 数澤魁斗計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像07 栁直登計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像08 中村匠構造設計
  • プロジェクトメンバーの画像09 川村将文構造設計
  • プロジェクトメンバーの画像10 菱沼崇宏構造設計
  • プロジェクトメンバーの画像11 チャンタオ構造設計
飛翔するアリーナの画像01
飛翔するアリーナの画像02

軽快な架構と臨場感が伝わるアリーナ

周囲を巻き込み賑わいを発信する全方位型アリーナを提案します。軽快なV字柱や浮遊感のある大屋根は建物の透明感を演出し、アリーナで生まれる熱狂や興奮、臨場感を外部に発信します。また、印象的なファサードは地域のランドマーク、スポーツ文化を発信するシンボルとなります。

平行弦トラスによる軽やかな大空間

屋根架構に軽量感、競技場に重厚感という対比を与えるという意識の下、鉄骨造と鉄筋コンクリート造の混合構造を採用しました。特に屋根構造は、スレンダーな部材で構成した「平行弦トラス」を2重に配置された斜め柱で支持することで、軽やかな印象を感じさせながら高い耐震性を有する提案となるよう計画しています。

飛翔するアリーナの画像03

■コンペ案 - X ARENA -

  • プロジェクトメンバーの画像01 乾正人計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像02 日比野和人計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像03 畠山慎吾計画設計
  • プロジェクトメンバーの画像04 千田啓吾構造設計
  • プロジェクトメンバーの画像05 牛島祐樹構造設計
  • プロジェクトメンバーの画像06 仁科智貴構造設計
X ARENAの画像01
Cloudの画像02

省空間化による求心性と躍動感の創出

競技・イベントの躍動感をダイナミックな躯体で表現し、地域に根差したアリーナを目指しました。張弦梁による架構とRCのハイブリットにより、力の流れに対して合理的な構造でありながら特徴的な形態を成立させた。また、省空間化することにより、求心性と躍動感の創出をおこないました。

張弦梁と鋼管の斜め柱により大空間架構

矩形の屋根に対し軽快な張弦梁と鋼管の斜め柱により、シンプルに大空間架構を構成した構造計画です。2FL+4mまでをRC造で構成し、「X」のイメージを、外周に配置した剛強な斜めRC柱により表現、構造的にも有効な耐震要素として活用しています。

Cloudの画像03