2020年竣工TODA Innovate lab
-未来へと続く挑戦の場として-
PROLOGUE

「TODA Innovate Lab」は滞在型研修施設として、人材の進化を促す次世代のコミュニケーションを核とした自己研究の場です。本案件は戸田建設140周年を記念した本社建て替えへと続く、技術の検証施設として未来に繋がる数多くの挑戦に取り組みました。

PROJECT MEMBER
プロジェクトメンバー
國又 要
國又 要 意匠設計 入社10年目
牛島 祐樹
牛島 祐樹 構造設計 入社7年目
市川 勇太
市川 勇太 設備設計 入社7年目
自社建築の設計施工で、様々な試みに挑戦しました。「自社のデザイン力、技術力をいかに発信できるかというところが問われた設計でした。」と振り返ります。

01.気持ちを汲み取る研修施設

無形資産の価値向上を見据え、より良い研修施設を追及した本プロジェクトでは、研修時の感情の数値化を行い、室内環境と感情の関係性を探る実証実験を行っています。

集大成 『新TODAビル』 を目指して

「新TODAビル」に戸田建設が積み上げてきた技術をより良い形で導入するため、これまでさまざまな自社施設において実証実験を行ってきました。本プロジェクトにおいては、感情やコミュニケーションなど、パーソナルなデータ収集が行える施設とすることができました。

感情を読み取り最適な環境へ

講義中の受講者にとってより適切な環境を、その人によって対応するにはどうすればよいか。その問いへの回答の一つとして、人の感情を読み取り人の快・不快や覚醒度を「見える化」するという提案としました。最適な環境とするための情報を蓄積し、より多くの人々が快適に過ごすことができる建築の未来へとつなげます。

02.未来を支える技術

技術を継承し、応用し、残す。未来を支える技術力を高めるため、積極的な提案に挑戦しました。

空間の豊かさと耐震性能の両立

開放的な空間とするため、レストランなどが入る低層部は16mの大スパン架構としました。その上、災害に強い建物とすることが設計のポイントとなりました。
低層部のTO-BRB(耐震ブレース)やホテル棟の戸境に地震力を負担する間柱を立てるなど耐震要素のメリハリをつけた工夫を凝らし、空間の豊かさと高い耐震性能を両立させています。

地域に馴染むBCP拠点

災害に強い建物とし自社の持つBCP拠点の提案とした事に加え、この地域に根差した戸田建設の歴史を継承し未来につなげるため、ランドマーク性を示しながらも、周辺との調和を図るデザインを具現化しました。戸田建設のもつ技術を詰め込み、また発展させ形にし残すことで、未来へつなぐ、未来を支える技術を紡ぎます。

03.設計施工だからこそ実現できる

限られた予算の中でどれだけこだわったデザインができるのか。そんな強い思いから始まった本設計では、設計施工だからできた設計と施工の知識の統合により、数多くのブラッシュアップを繰り返し行いました。

当社の顔として、訪問者を受け入れる

自分たちにできることの中から、いかに新鮮さを感じてもらえるか、ということを意識し提案のデザインへと至りました。自社建築の設計は、当設計部の高いデザイン力を社外にアピールする、新たな顔の一つとなります。設計のデザイン力の発信に相応しい設えを追求しました。

さらなる成長を願って

人材の進化を促す研修施設というコンセプトのもと、水平・垂直の伸びやかな線が強調されたデザインが生み出されました。細部までこだわることで、コンセプトを貫くことができたと考えます。2021 年で 140 周年を迎えた当社、その節目となる建築、そしてこれからのさらなる成長を象徴する建築が完成した、と考えます。

04.リラックスして未来を考える

リラックスできる空間が研修施設にも欲しい。そのような声に応えるべく、研修の合間のリラックスできる空間としてコモンスペースを点在させ、壁面緑化による温かみのある居場所を設計しました。

創造性を誘発するコモンスペース

壁面緑化によって人の心に安らぎを与え、また人の創造性を誘発することができると考えました。実は、この壁面緑化には生花と造花がミックスされています。照明の当たるところと当たらないところ、その境界線をあなたは見つけることができますか。

一緒に未来を考える

この建物の内装には、あるアクセントが隠されています。また、そのアクセントはコモンスペースなどの建物の至る所に隠されております。
答えにたどり着くためのヒントは、この施設の名称はL stay&grow 南砂町、ということです。ぜひ実際に訪れて探してみながら、創造的な未来について考えてみてください。

EPILOGUE

今回は自社建築ということもあり、守ることと攻めることのバランスが難しい設計でした。その上で未来への挑戦を強く意識し、失敗を恐れずに積極的な提案ができました。今回のプロジェクトに参加できたことは今後設計に取り組む上で貴重な経験となりました。

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