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Architectural Design Division
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建築ができるまで
STORY
-BIMによるトータルコーディネート-
本計画は、福岡県に建つ浄化槽協会の事務所建替え計画であり、基本設計段階からBIMを活用することで早期に総合的な検討を可能にし、関係者間で常に同じイメージを共有しながら完成度を高めたプロジェクトです。
プロジェクトメンバー
西川 航生意匠設計 入社5年目
白井 遼構造設計 入社11年目
01.「木」をふんだんに使った意匠計画
1階の執務空間と2階のリフレッシュコーナー、役員室を自然光が差し込む吹抜でつなぎ、職員同士のコミュニケーションの活性化を図りました。
内装に関しては1階から階段、2階まで木を連続させ、事務室をはじめとした諸室がひとつながりに感じられるように計画しました。
階段も踏板を天然木で包み、木が天井から下りてくるような意匠としています。
外装はアースカラーの基壇部、木目調の庇、清白な外壁で構成し、森林による水の浄化を表現しました。内部の用途に合わせて2階を開放的なつくりとし、道路側からの見え方を考慮してプロポーションを整えていきました。
環境に配慮し、2階床スラブには型枠と仕上げを兼ねる配筋付型枠デッキを社内で初採用しました。事務室を天然木あらわしの直天井とし、水環境保全に貢献する組織にふさわしい執務環境を実現しました。
02.BIMを活用した関係者とのイメージ共有
BIMを用いることで、他部署との連携をスムーズに行うことができました。特に事務室は、露出する機器類の効率的な配管ルートを検討し、下がり天井へ集約するなど木の直天井の見え方に配慮しました。庇-袖壁-屋根の金属部材の取合いや事務室内壁等、複雑な納まりについてもBIMで事前に検証し、関係者と課題を共有することで手戻りを減らすことができました。
職員の方々が日々愛着を持って活き活きと働けるよう、ぬくもりを感じるカジュアルな内装を目指しました。
計画初期から最新のオフィス事例を基にお客様と対話し、会議の度にBIMでイメージを共有することでお客様の信頼を得ることができました。家具・什器に関しても自身でパースを作成してお客様とともに選定を行い、全体としてのコーディネートを行いました。
03.一連の業務を経験して
基本設計から監理まで携わるのは初めてでしたが、BIMを自身で操作することで経験の少なさを補い、関係者と常にイメージを共有したことが功を奏したと思っています。今後も方向性をまとめるための有効なツールとして活用していきたいです。(西川)
外観意匠の要である屋根と袖壁の跳出しを薄く見せるため、鉄骨下地の検討に特に注意を払いました。吹抜けに面する階段は、意匠要望の実現と性能を満足するよう、意匠設計との密な会話を心掛けました。
意匠、構造がお互いを意識し密にコミュニケーションをとることにより、良い設計、良い出来栄えの建物を創ることができたと感じています。(白井)