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Architectural Design Division
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建築ができるまで
STORY
「聖マリア学院大学図書館」は京橋スタジオ(※)という建築設計統轄部内のコンペにより選ばれた作品です。
2016年に開催された京橋スタジオで全国16作品の中から最優秀賞に選ばれた「未来を開く図書館」は、
本社設計の若手メンバー3名による作品でした。
当時の名称は設計統轄部の所在地に因んで「桜橋スタジオ」と称してアンビルドの設計コンペがこれまで6回実施されています。
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大屋 綾乃計画設計部入社5年目
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松永 彩計画設計部入社4年目
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稲村 陸計画設計部入社3年目
発想を実現する現場の力、全員でつくった作品です」
と設計担当の大屋、松永、稲村は振り返ります。
今回私達はこの作品にチームで取り組みました。メンバーそれぞれが思い描くプランニングや、今回のプロジェクトに合った様々な方向性を3人で探していきました。色々なパターンをつくるなかで、先輩や上司など様々な人に意見を頂きながら方向性を絞っていきました。終始一貫していたのは若い自分たちだからこそできる感性や勢いを大切に、「とにかくコンペなんだから思いっきり面白いものをつくろう」と心がけました。
最終的な審査員は、お客様ご本人でしたので、一般の方で建築家ではない人たちにもわかりやすさとか、こういうの夢があるねとか、コンペをやってよかったと思ってもらえる計画としました。
本を開く、未来を拓くというメッセージはお客様に伝わるだろうと、このコンセプトでやりきるという覚悟で、壁を立てたり、それに合わせて照明や書架の配置を放射状にしたりして、コンセプトを徹底することを心がけました。
結果的にコンセプトが明快に建物の形に表れていたことが、私たちがこの作品を担当できることにつながったと思います。
コンペ時から若手らしく色々な人に積極的にアドバイスをもらうよう心がけました。室長先輩や上司は、「コンセプトがぶれていないか」、「コンペの計画として魅力・面白さ・わかりやすさ」を助言してくれました。設計部は規模がちょうどいい人数構成であり、皆距離が近いのでいろんな人に話を聞くことができるのも設計部の良さであると思います。
設計に入ってからも、メインパースの見え方を大切に、図書館の機能としてだけでなくプロポーションを気にして設計していました。その気持ちがみんなに伝わり、パースのイメージどおりに作ることを考えてくれました。特に大きく張り出したサッシは納まりが難しかったのですが、どうやってつくるかを検討しました。現場や支店の方々も、このほうが簡単に作れるとかそういう妥協はなく、この形にするにはどうするかみんなで考えてつくりました。ある時現場から施工が困難な部分があり形を変えてほしいという要望もありました。しかし、社内のコンペで決まったこともあり何とかこの形でやってみせましょうという意識の共有をプロジェクトマネージャーが図ってくれました。そのあたりからみんなで協力していろんなことをまとめていけるようになりました。
営業部は私たちの心強い味方です。お客様は重要得意先でもあるので、私たちが知らない情報を教えてくれました。マリア像に関する知識、お客様の考え方・思いから、お客様の好みまで営業の蓄積が随所にでていました。また生産設計部も、設計の意図を汲んで施工図を作ってくれます。より良いものをつくるために様々な意見をだしてくれて、たまにムチを打ってくれる。いいものを作る思いの強い方々です。
大学の正門からよく見える壁面に、現場に入る前まで計画にはなかった鐘楼を途中でつけることになりました。ファサードを考える中で、いくつかの提案の中に鐘楼があり、お客様にも好評で十字架のモチーフではなく鐘楼をつけることになりました。展示スペースや、マリア像、鐘楼など特にお客様の思い入れのある所は、お客さんに寄り添いながら進めました。
とにかく現場の所長はいいものを作ろうという気持ちが強い方でした。本実を打つときに近くの現場の人を呼んで一緒にたたいたこともあったそうです。そのおかげで最終的にとてもいい仕上がりになっています。いいものを作ろうという思いで、納まり検討も一緒に考えてくれて、現場にどんどん指示をしてくれていました。床と壁の取り合いをきれいにするためになど、現場での蓄積を活かしてくださり、色々な検討を一緒にしました。
私たちの案はコンペ時からほとんどぶれておらず、コンペのとき提案したのものが形になってできています。コンペに取り掛かる段階では実現するという意識はあまりありませんでした。逆にその気持ちが自由な発想を生み出すもとになったのかもしれません。それが今実現しているから不思議な気分ですし、本当に竣工が楽しみです。私たちが設計したものを見て、みんなどう思うのかまだ想像はつきませんが、お客様はもちろんのこと、このプロジェクトの完成をみんなが楽しみにしてくれているのかなっていうのは現場を見て感じています。